草取りのいらない庭づくり「ノンストレスガーデン工法」

庭仕事のなかで、最も労力を使うのが草取り。地味で単調で、あまり楽しい作業ではないにもかかわらず、春から秋までずっと続く庭仕事です。「草取りに疲れてしまったので、もう庭をやめる」という声を聞くたびに、なんとかこの問題を解決できないかと考え続けてきた私たちは、ついに草取りのいらない庭づくりを開発しました。名付けて「ノンストレスガーデン工法」。草取りのストレスから解放されれば、ガーデニングは格段に楽しくなりますよ。

「草取りが大変で…」というお客様の声からスタート

上の写真はある庭の一角の6月の様子です。雑草は1本も生えていませんが、庭を施工して以降、私たちも施主様も、一度も庭の草取りをしていません。庭はメンテナンスをしなければ美しい風景を保つことができません。通常、春から夏にかけての1か月、草取りをしなかったら雑草がはびこって見る影もなくなってしまいます。それほどに雑草の繁殖力は驚異的で、雑草が蔓延ると本来育てたい草花が弱ってしまいます。ですから、草取りなくして美しい庭を維持することは、不可能。「でした」。そう、今までは!

この写真は前出の庭と同様の庭ですが、実はこの植栽花壇の中には全面防草シートが張ってあります。一見して防草シートは見えませんし、草花が育っているのでそう言わなければ防草シートが入っているとは分かりません。育てたい草花だけを育て、雑草取りのストレスは一切ないガーデン施工。これが私たちが開発した「ノンストレスガーデン工法」です。

雑草を生えさせないノンストレスガーデン工法

防草シートが敷かれているのに、草花が豊かに育っていることが不思議に思われるかもしれませんね。その仕掛けをご紹介しましょう。まず、元々の地面を雑草が生えないようしっかりと処理をして、植物がよく育つよう土壌改良をします。その上に防草シートを張り、植栽部分にのみ穴をあけ植え込みをします。

その途中経過がこのような状態。「防草シート」というお話をすると、最初はみなさん「黒いシート」が庭に敷かれたこんな風景を思い浮かべて躊躇されるのですが、もちろん、こんな無粋な風景のまま庭をお渡しするのは、私たちの美意識も許しません。この防草シートの上から自然素材のマルチングを施し、黒いシートは見えないようにします。すると、下の写真のようなナチュラルな風景に。

ノンストレスガーデン工法は植物を熟知すればこそ

 

植栽の穴は、その植物がどのような育ち方をして、株張りはどのくらいまで大きくなるのかなどを考慮し、穴の大きさや穴の開け方、穴の周りのシートの留め方を細かく変えています。植物は同じ種類であっても、地域ごとに生育サイズが大幅に変わるものもあるため、これまで全国の庭を施工してきた経験が役に立っています。植物を熟知せずに、ただ単に防草シートを張り、適当に穴を開けただけでは、肝心の育てたい植物がうまく育たなかったり、そこから雑草がはびこってしまったりするので植物ごとに適したやり方が必要です。また、防草シートにもマルチング材にもさまざまな種類があるので、デザインする庭ごとに最適なものを選び、正しく施工することが大切です。

植物にとってもノンストレス

この庭はまだ植栽を完了してから半年も経っていないので、防草シートを留めた枠が見えている状態ですが、植物が育ってくれば葉で覆われ、下の写真のように見えなくなります。屋外ですから、そのうち外から雑草のタネが飛んできて、マルチングに雑草が生えてくることもありますが、その下はすぐ防草シートになっているため、根が張らないのでペリッとシールを剥がすように雑草を簡単に取り除くことができます。また、防草シートとマルチングのおかげで、地温が安定し昨今の激しい気温変化がダイレクトに響かず、植物にとってもノンストレスなのもこの工法のメリットです。

 

バラの黒点病にも効果が期待できる

  

この工法で施工したガーデンでは、今のところバラに黒点病の葉が一枚も発生していません。土壌改良やマルチング効果によって土の跳ね返りがないことなど、黒点病を避ける条件が重なっているためと思われます。今後も複数のガーデンでのバラの経過を見守っていきたいと思いますが、この工法はバラ園のような観光ガーデンにはとてもおすすめです。その理由はメンテナンス費の大幅削減が可能だからです。

 

観光ガーデンの草取りのメンテナンス費を大幅削減

あるバラ園では、3,000㎡の敷地の除草作業に年間300万円の人件費を費やしていました。そのバラ園の改修に際して、このノンストレスガーデン工法を採用しましたが、工事の初年度経費のみで人件費を確実に下回るメンテナンス費用に抑えられます。その後のメンテナンス費用はかからないため、10年間で3、000万円かかっていた除草メンテナンス費用をほぼ1/10に抑えられます。その分を他の植物や施設の充実に使えるわけですから、大きな観光ガーデンこそノンストレスガーデン工法はおすすめです。

 

 

ご紹介てしてきたこの庭は、静岡で100年以上の歴史を持つ丸松製茶場が運営している日本茶専門のカフェ「サングラム」です。若い方にもっと日本茶に親しんでほしいと、リラックスした空間演出の一つとして私たちに庭づくりを依頼していただきました。ノンストレスガーデン工法で庭を施工して以来、これまでは草取りに時間を取られていたスタッフの方の労力が減り、庭はいつもキレイな状態を保っています。その成果のおかけで、庭の中で写真を撮り合うお客様たちも増えてきたそうです。ぜひ、庭を楽しみながら美味しい日本茶を味わいに行かれてみてはいかがですか。

また、雑草でお困りの方は、庭をあきらめてしまう前に、ぜひ、私たちかたくり工房までお気軽にご相談ください。

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