必読! 家の外壁にバラを誘引する際に気をつけるべきこと

壁を伝って咲くバラの景色は、本当にロマンチックなもの。ですが、バラを壁に誘引すると、思わぬ大きな問題が生じてしまうこともあります。ここではつるバラを誘引するにあたって、絶対に知っておいてほしい注意事項をお伝えします。

窓をとり囲んで咲くバラの景色は、本当にロマンチックなものです。要は窓を取り囲むようにつるバラを誘引するわけですが、誘引するためには壁側に枝を止め付けるための何かしらの「とっかかり」が必要です。バラの誘引が上手にできるからといって、安易にネジなどで壁に穴を開けてしまうと、住宅に重大な被害を及ぼすことがあります。小さな穴から雨が染み込んで、長年の間に建物の材木が腐食してしまったり、断熱材の間に大量のカビが発生してしまった例をこれまで目にしてきました。住環境の欠陥は、莫大な修繕費用が必要になったり、健康被害を招くこともあるので、建築の知識がない人が安易に住宅の外壁に穴を開けることは、全くおすすめできません。

写真のお宅では、日当たりの良い南側のレンガの壁面に、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’を這わせています。例えばクレマチスのような「草花」であれば、壁にワイヤーを張ってそこにつるを這わせることも可能ですが、つるバラは「樹木」です。特に‘ピエール・ドゥ・ロンサール’のように樹勢の強いつるバラを誘引する場合には、生育した枝の重量もかなり重くなるため、枝をしっかり固定するための構造物を外壁に沿って設置する必要があります。誘引される側の構造物が脆弱だと、台風や強風時に倒れてしまいます。

構造物の設置は、場所やその方法も住環境の安全性に関わる重要事項です。ですから、私はつるバラを誘引するための構造物を設置する際は、そうした構造設計の重要性と植物の性質の双方を理解して設置してくれる「ベルツモア・ジャパン」に制作をお願いしています。写真のお宅でもベルツモア・ジャパンの方が設置場所を確認して最適な構造物を制作し、建築家立会いの下、かたくり工房で設置しました。

繰り返しますが、住宅の外壁に不用意に穴を開けると、住まいに重大な損傷を招き兼ねません。必ず、しっかりとした専門知識と技術のある条件下で行ってください。

ベルツモアジャパン(三洋発條株式会社)/栃木県足利市南大町473

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